「ホームレスのオッサン」
子どもの頃、ホームレスのオッサンが怖かった
10代の頃、社会のゴミ、人間のクズだと思った
20代の頃、哀れだと思った
30代の頃、いつか自分もああなるのでは、と不安だった
そして今思うこと
普段の暮らしが豊かである程
それを根こそぎ奪われたときの
喪失感、絶望感も大きくなる
明日をも知れないこの世の中で
一番最後に生き残るのは
もしかしたらホームレスのオッサンかもしれない
いまだなくなる気配のない
東北の瓦礫を思い浮かべながら
そんなことを考えた
(2011.5)
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