「幸福な肉」



ネズミは空を飛びたかった
それが唯一の夢だった
だからネズミは
襲い来る大鷲にその身を捧げた


鋭い爪は小さな体を引き裂き
骨を砕いた
そして大鷲は
獲物を抱えて空に舞い上がった


薄れゆく意識の中で
ネズミは夢が叶ったことを知った


そうしてネズミは
幸福な肉となった





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