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バーでの前祝いから二ヶ月後、計画はとんとん拍子に進ん
で、いよいよギャンゴー探険隊は、エノーシムという港町
からゴーフの探索の旅に出ました。

さてここで、探険隊のメンバー四人を紹介しましょう。

まず隊長のギャンゴーです。
数々の冒険や探険で、その名を知らぬ者はいない探険家で
す。運動神経抜群の彼は子供たちの憧れの的で、端正な顔
立ちは女性猫にも絶大な人気があります。冒険に命を懸け
る情熱家で、危険も恐れず行動する勇気と、仲間を大切に
する優しさを合わせ持った、ネコオルランドの英雄的存在
です。

続いて探険隊が乗る船、ミレニアム・ドルフィン号の船長、
黒猫のレクーです。
海洋学者ロポックと一緒に、この船で何度も調査や探索の
航海をしてきた、言わば海のプロフェッショナルです。冷
静沈着で頭のいいレクーは、ギャンゴーにとってとても頼
りになることでしょう。

三人目は、天文学者ルアーノの弟のリアーニ。
ベテランの漁師で銛打ちの名手の虎猫です。ギャンゴーは
初めて彼を見たとき、お兄さんのルアーノとあまりにそっ
くりなので、びっくりしました。しかしよく見ると細身の
ルアーノと違って、海の男らしくギャンゴーに劣らないほ
どのたくましい体をしています。少々気の荒いところもあ
りますが、根は心の優しい、愛すべきオス猫です。

最後は探険隊の食事係、白と黒のまだら猫のロミ。
バーのマスターの友だちで、ギャンゴーの大ファンです。
ですからこの仕事が決まった時、それはもう大喜びで、ギ
ャンゴーに会うなり、さっそくサインをもらっていました。
陽気な性格で、少しそそっかしいところもありますが、魚
料理の腕前は天下一品です。

この四人の猫たちが、ミレニアム・ドルフィン号に乗り込
み、ロポックに作ってもらった海図に従って、漁船の沈没
事故の地点を辿って行きながら、幻の巨大魚ゴーフを求め
て大海原へと冒険の旅に出ていきました。

旅立って始めのうちは何も見つからず、退屈な日々が続き
ましたが、そんな時に気分を紛らしてくれたのが、ロミの
作る魚料理です。その夜もみんなは、美味しい夕食をたい
らげて大満足でした。

「ロミ、君の作る料理はいつも絶品だな。」
ギャンゴーが、一杯になったお腹をぽんぽんと叩いて言い
ました。

「まったくだ。うちのかかあの飯とは月とスッポンだぜ。」
リアーニもそれに同意して大きくうなずきました。

「ははは。そんなこと言っちゃあ奥さんに悪いですよ。」
ロミは、少し照れ気味にそう言って笑いました。すると今
度はレクーが、リアーニの顔を覗き込みながら、からかう
ようににやにやしながら口を挟みました。

「奥さんのいない所では何とでも言えるさ。家ではきっと、
頭が上がらないんだろう?」
「う、うるせえ、放っておいてくれ!」
リアーニが少し慌てた様子でそう言うと、みんな一斉に大
笑いしました。

探険隊の旅はこのようにして、何も起きずに平和な毎日が
ひと月ほど続いたのです。






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