(2)
それから何日か、クリムは具合が悪いのを我慢して働いて、
ようやくまたお金が貯まりました。その頃にはクリムの具
合は、体がだるいのと頭が痛いのに加えて、めまいもし出
していました。
「今度こそ病院に行かなくちゃ。」
クリムは、ふらふらしながら家を出ました。
病院に向かう途中、公園の中を通り抜けようとした時のこ
とです。公園の中の地面に、若いオス猫が仰向けに倒れて
いました。クリムはびっくりして、その猫に駆け寄りまし
た。
「もしもし、大丈夫ですか?」
クリムが言葉をかけると、若い猫はうっすらと目を開けて
クリムを見ました。
「お腹がすいて動けないんだ。」
若い猫は倒れたまま、弱々しい声で言いました。
「勤めていた会社が倒産してね。ごはんを食べるお金がな
くなってしまって、もう三日も何も食べてないんだ。」
なるほど、言いながら若い猫のお腹は、ぐうぐうと絶え間
なく大きな音でなり続けています。クリムはまたしても、
その若い猫が気の毒でしかたなくなってしまいました。
「これでごはんを買って食べて、新しい仕事を探すといい
よ。」
クリムは、持っていたお金を彼に差し出しました。
「えっ、いいのかい?」
若い猫は頭を持ち上げて、少し声を大きくして言いました。
「いいとも。困った時はお互い様さ。」
「わーい、ありがとう!君は命の恩人だ!」
若い猫は急に元気になって、立ち上がってお金を受け取る
と、ぴょんぴょん飛び跳ねながら公園を出ていきました。
クリムはまたしても、お金がなくなって病院に行けなくな
りました。
「やれやれ、しかたない。また働いてお金を貯めよう。」
クリムは、ふらふらとおぼつかない足取りで、家に帰って
いきました。
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